秋風が吹き始め気温が下がり始めるとゴキブリの活動は一見すると沈静化したように思えますが実はこの時期こそが次世代の生き残りを賭けた最も重要な産卵のタイミングであり私たち人間側にとっても来年の発生を左右する防除のラストチャンスとなります。ゴキブリのメスは寒さが厳しくなる前に比較的暖かさが維持されやすい場所を選んで卵鞘を産み付けますが秋に産み落とされた卵はそのまま卵鞘の中で休眠状態で冬を越し春の訪れとともに孵化するというタイムカプセルのような生存戦略を持っています。このため秋の終わりに家の中に卵を産み付けさせてしまうことは来年の春にゴキブリの軍団を室内で誕生させることを約束するようなものであり今の時期に徹底的に卵を捜索し排除することがどれほど重要かは言うまでもありません。秋の産卵場所として特に狙われやすいのは厚手のカーテンの裏側や季節家電を収納している押し入れの奥、さらには冬に向けて暖房が入り始める床暖房の周辺などでありこれらの場所は冬場でも温度が下がりにくいため卵が生き残る確率が高くなります。また冬支度のためにクローゼットから出した古い衣類や段ボールに卵が付着していることもあり衣替えのタイミングは卵をチェックする絶好の機会でもあります。秋の対策としてはまず夏の間にお世話になったエアコンの掃除を徹底し内部に卵が産み付けられていないかを確認するとともに室外機周辺の落ち葉やゴミを片付けて侵入経路を断つことが求められます。そして家全体の死角となっている場所を徹底的に清掃し発見した卵鞘はすべて物理的に排除してください。秋のゴキブリは夏場ほどの敏捷性はありませんが産卵に対する執着心は非常に強く一匹のメスを逃すことが春の大発生に直結します。多くの人が害虫対策を夏の終わりとともに止めてしまいますが本当の勝負はこの秋にありこの時期に卵を産ませない、あるいは産まれた卵を冬のうちに一掃しておくことで来年の一年間の快適さが決まると言っても過言ではありません。季節の変わり目に潜む彼らの繁殖戦略を理解し冷え込みが始まる前に家中をリセットすることで私たちは虫に怯えることのない静かな冬と清潔な春を迎えることができるようになるのです。